「周りの価値観や感覚に共感できない」ホストで長く働き続けるとこんなことを感じる瞬間があると思います。この状態が長く続くと、昔の友人や家族との関係が面倒臭くなり「やっぱり夜職の人間が一番気が合うな」なんて思い始めたりします。
僕も10年間キャストと代表という立場で働いてきて、まさに体験してきました。この記事では元No.1として真剣にホストに向き合ってきて感じた「ホストのズレの危険性」について、理由・危険性・社会との隔離についての解説をしていきます。
- 仕事とプライベートの価値観を調整できる
- 人生単位で時間やお金について考えられるようになる
- 昼職の人とも人間関係を良好にできる
間隔がズレて来るのはあなたがおかしいのではなく、「環境」の影響でそうなっていくものなんです。
ホストの感覚がズレていく理由

ホストの感覚がズレていくのは、稼ぐことが正義という大前提があるからです。どのような手段でも売上を上げれば認められるという環境では、倫理観や道徳心というものが崩れていく人も多いことは想像しやすいと思います。
ホストに限らずとも、上司が帰るまで帰らないのが常習化している会社や、休憩時間は早めに戻るのが当たり前になっている職場に入社した場合は、当然のようにその慣習に染まることありませんか?
それがホストにとっては売上を上げるということなんです。こういった店の中や夜の世界だけでの評価基準が自分の全てになっていくことに原因はあります。金銭面や人間関係においても特殊な環境なので昼間働いている人との感覚の差というのは、開いていきますよね。
なぜズレていることに自分では気づけないのか

同じ感覚の人間が多い場所に身を置いていると、なぜズレてしまうのか。それはホストについて詳しく知っている新人はいないからです。背中を見せてくれる先輩は既に夜に染まっているので、「これが当たり前なんだ」と思ってしまいます。
周囲も同じ感覚で生きている
ミーティングなどで周りの人たちの会話を聞いても、売上の話を熱心にしているのを毎日のように見かけると思います。この光景をずっと見ていたり自分も話に混ざっていると、考えも染まっていくのは容易に想像ができると思います。
どの職業でもそうですが、一日の大半を職場で過ごしているので考えは染まりやすい。よくブラック企業で働いていて辛そうにしている人がいますよね?そんな人の話を聞いていると「辞めた方がいいよ」と言いたくなるようなひどい環境のことも多いです。

他人から見ると「何で辞めないんだろう?」と思うことでも、ブラック企業に染まり切った人からするとそんな選択肢は選べなかったりしますよね。
それでもその人にとってはその環境が【当たり前】になっているので、おかしいということに気づけなくなっています。それだけ長い時間を過ごす環境というのは、あなたの基準に大きく影響するということを覚えておきましょう。
「うまくいっている間」は疑問を持たない
上手くいっている間は「やっぱり正解だったんだ」と思ってしまいます。染まり切った価値観で、報酬も手にすることができれば「自分は成功した」という感覚を得てしまうのも無理はありません。
「とにかく売上を上げろ」と言われて、寝る間も惜しんで働いて結果に結びつけば当然「正しかった」と思います。しかし売れなくなってくると、「こんなことして稼いでいいのだろうか?」「いつまでこんなことを続けるんだろう?」と疑問に思ってくると思います。
| 項目 | 成功している時 | うまくいかなくなった時 |
|---|---|---|
| 思考 | 「このやり方で正解だった」 | 「本当にこれでいいのか?」 |
| 行動 | 疑問を持たず突き進む | 立ち止まって考え始める |
| 価値観 | 売上=正義 | 売上以外の価値に目が向く |
| 努力の意味 | 苦労も報われていると感じる | 苦労が重く感じ始める |
| 将来への意識 | 先のことはなんとでもなると考える | 「この先どうなる?」と考える |
| 周囲の言葉 | 応援や称賛が多い | アドバイスや距離が増える |
| 自分への評価 | 「成功者」 | 「このままでいいのか?」 |
実際ホストでの成功の実績は昼職に持っていける功績ではないことがほとんどです。道徳心を持って努力している人は尊敬に値すると思いますが、手段を選ばず売上を上げているホストが多いのも事実です。
修正してくれる存在が消えていく
ホストの常識と世間の常識がズレていることに違和感を感じ始めた人から辞めていきます。そのため残っている人は世間と感覚がズレている人が多くなるため、ますます自分で気づくのが難しくなっていきます。
とはいえ僕の経験から仲の良い上司に、「そろそろ辞めて昼で働こうかと考えている」と世間話の延長で漏らしたところ、「うちの店は他と比べてもおかしいところも多いしその方がいいかもね」と自分の店のズレに気づいている人もいました。
逆にこうした違和感を持っている人が多いと【不満】も大きくなり、やがて人数の少ない人手不足が常態化している店になっていく傾向があると思います。なのでズレに気づかせないというのもホストクラブの運営においては必要なことなのかもしれませんね。
ズレた感覚を放置する危険性

「ズレているからこそ成功するんでしょ?」そう思っていると、落とし穴にはまってしまう危険性もあります。ズレた感覚を放置していると、周りから人がいなくなってしまうこともあります。
社会との距離が静かに広がる
お互いに違う価値観を持っていると、話していても噛み合わずに一緒にいるのが煩わしいとさえ思い始めてしまいます。あなたが目指しているところが売上だとすると、あまり努力もせずに今を楽しんでいる人とはどこか温度差が生まれますよね?
その感覚が当たり前になっていくと、久々に会う友だちとの約束もドタキャンしてしまったりと大切にできなくなってしまいます。今後もあなたはずっとホストを続けますか?

選択肢が減っていく感覚
ずるずるとズレた感覚の沼に浸かっていると気付けば歳を重ね過ぎたなんてことも。そうなると次はこれからできることの幅が狭まっていることに焦りを感じ始めます。貯金をして起業をしようと思っても、仕事での必要経費にお金を使いすぎて、「昼職でコツコツ稼いでいたら何年かかるんだ?」という状態に。
「こんなに時間を費やしたけど、若いうちにもっといろんなことに挑戦しておけば良かった」なんてよく聞くセリフですよね。時間を取り戻すことはできません。目が覚めた時に後悔しない選択をしてください。
戻るタイミングを失うリスク
戻るタイミングと一口に言ってもその意味は様々です。あなたがどこに戻りたいのか、そこに目を向けて見てください。ホストをやる前の自分なのか、友人に囲まれていた頃の自分なのか。戻りたいと思った頃に手遅れになっているということもリアルに想像しておくといいですよ。
- ズレた感覚は成功の一因になることもあるが、放置すると人間関係を削っていく
- 社会との距離は一気にではなく、気づかないうちに広がっていく
- 感覚のズレが当たり前になると、大切な人や時間を後回しにしがちになる
- 時間が経つほど、選べる道や修正できる余地は少なくなっていく
- 「戻りたい」と思った時に、戻れるとは限らない
社会との隔離は、いつの間にか始まっている

社会的隔離を感じるポイントは3つあります。「店の外で感じる違和感」「世間との会話のズレ」「孤立ではなく分断という状態」この3つについて説明していきます。
店の外で感じる違和感
店の中にいる間は感じないかもしれませんが、一歩外に出ると違和感を感じることも多いと思います。店の中では同じ価値観を共有している仲間に囲まれているせいで、大多数の人たちの価値観と触れ合う機会が極端に少なくなってしまうのです。
普段は売上を上げるために必死に頑張って、それを認めてくれる周囲の人間がいると思いますが、昼職で働いている人から見ると「チャラチャラしている」という印象や「まともに働いていない」と思われることも多いでしょう。
最低限の常識を知る機会すらも奪われている場合も多いです。

感覚がズレている間は「自分がやっていることは正義」という感覚が抜けないんですよね。もちろんホストは素晴らしい仕事なんですが、社会と適合していかないとその後が辛いよという話です。
世間との「会話のズレ」
ズレは会話の中にも表れます。求めている話が違いすぎて居心地が悪くなることもあるでしょう。悩み相談なんかを受けている時も、夜職独特のルールで助言したり、売れていれば尚更「弱音を吐いている」と思ってしまう場面もあります。
この人とは話が合わないなと思われてしまうと、相手もあなたといる時間が苦痛に感じてきてしまいます。
周りからの評価
周りからするとホストは若いうちのバイトでやるくらいの感覚の人が多いと思います。「一生やる仕事ではない」それはあなたも感じてはいませんか?僕も10年以上ホストをやってきましたが、後輩や同級生に偶然会った時に「まだやってるの?」と言われたことが何度もあります。
本来なら一つの仕事に真剣に長く向き合っていたら褒められるべきことではないですか?ホストという仕事自体が世間と実際に働いている人間の認識にズレがあるなと思う体験でした。
| 視点 | 社会から隔離されている状態 | 社会と適合している状態 |
|---|---|---|
| 価値観の基準 | 売上や結果が最優先になりやすい | 複数の価値観を同時に持っている |
| 会話の感覚 | 話が噛み合わないと感じやすい | 相手の感覚に合わせて話せる |
| 他人の見え方 | 理解できない人に距離を置きがち | 違いとして受け止められる |
| 人間関係 | 店内の人間関係が中心になる | 店外にも自然なつながりがある |
| 社会との距離 | 気づかないうちに遠くなる | 必要な距離感を保てている |
| 将来の捉え方 | 今の延長線で考えがち | 選択肢を意識して考えられる |
| 違和感への反応 | 気づいても流してしまう | 小さなズレにも目を向けられる |
まとめ

ズレ自体が悪いことではありません。ホストとしての武器にもなるし、成功の糧にもなります。しかしそれだけ強力な武器だからこそ使い方を誤ると危険です。周りの環境に植え付けられたズレなのであれば、それはホストの世界でいう当たり前。その場合ズレが武器になるには当てはまらないです。
ホストの当たり前が体に染みつくと、世間の常識からは外れた考えを持ち始めます。ズレた考えを自分で認識できずに、「話が合わない」と昼に働いている人たちとの距離を広げてしまうのはもったいない。
「本当に社会から外れていっているな」と実感するのは周りから人が減っていった時です。人生を豊かにしたいのであれば、ズレを上手に使うことが大事です。

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